歩行者の道

昔昔から、人間が歩いたところが道になりました。
道は「歩く」ことが紡いでできたものだったのです。
道の主人公は、まさに「歩く人間=歩行者」でした。
しかし都市が作られ、クルマが登場し、歩行者は道路の端に追いやられました。
歩行者が道路に留まっているとクラクションで追い散らされます。
歩行者が道路を横断するにも、信号機の「許可」を得なければなりません。
道路は設計図の上で定規で描かれ、そのとおりに建設重機が作り出します。
人間の通行が道路を生み出すのではなく、建設された道路のとおりに人間が通行するようになりました。
クルマ社会において、歩行者は道の主人公ではなく、道路を流通させられる物のような存在になってしまいました。
このようなクルマ社会の様相は、人間そのものの存在を変質させ、人間の尊厳を軽からしめていないでしょうか。

人間は2本足で歩くことから「人間」になりました。
私たちは歩行者のための「歩行者の道」を再考するところから、人間復興をめざしたいと思います。