運転免許更新講習のテキストを見る

私はペーパードライバーで、運転免許証は「ゴールド」です。このたび5 年ぶりに免許更新があり、講習を受けてきました。
5 年の間には道交法改正も行われ、配付された講習テキストは見た目にも変化しています。
“ 飽きられないようにする” という配慮もありそうですが、警察等が何を重視しているかがうかがえて興味深いです。
5 年前は3 冊配付されましたが、今回は2 冊になりました。講習テキスト『安全運転のしおり』『交通教本』をウォッチングしてみます。

(以下の画像資料はクリックしていくと拡大して見ることができます。)

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封筒
この封筒にテキスト一式が入って、配られました。
表面に「自転車思いやり五則」なるものが印刷されています。
全員に配られる封筒の表面を利用して、自転車に対する配慮を啓発しているのは良いと思います。

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『安全運転のしおり』4 ページ 《死亡事故の傾向》
「当事者別」という数が出ています。歩行者、自転車の死亡人数が多いですが、もちろんクルマがらみの事故による死亡がほとんどで、クルマが存在するがための死と言えます。

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『しおり』1 4 ページ。 《自転車事故を防止するために》
自転車についてのページが増えていました。
クルマ運転者の予想を外れた自転車の挙動が事故の主因として指摘されています。
自転車もまた「車両」として、ルールを守り秩序ある行動をする必要があります。

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『しおり』4 8 ページ。 《飲酒運転根絶》
「犯罪です」として、罰を強調していますが。飲酒運転するような意志薄弱な人にどれだけ届くものか…
即免許停止くらいでないとダメなのでは?

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『交通教本』8 ページ 《最新の道路交通法の改正》
自転車関連。クルマの運転者にも「自転車は車道を通行する」ということを良く認識しておいてもらわなくては。

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『教本』4 0 ページ 《交通犯罪に遭って五年》
被害者遺族の手記が掲載されています。「交通犯罪」という言葉が『交通教本』に載りました。

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『教本』5 2 ページ 《自動車に働く自然の力》
自動車がぶつかったときの衝撃力について説明しています。何m の高さからの落下に相当するという例示があります。
本文ではさらっと述べていますが、自動車と人がぶつかったときには、その衝撃力が生身の人間に与えられるわけで、その脅威と責任はもっと強調されるべきではないでしょうか。

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『教本』5 8 ページ 《歩行者の保護など》
重要なことが書いてあるのですが、たいへん地味な編集になっています。
ページもイラストも使って、もっと強力に啓発するべきです。( 参照→ 『しおり』4 ページ、クルマによる歩行者被害の多さ)

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『教本』1 1 2 ページ 《安全運転5 則》
① 安全速度を必ず守る。
② カーブの手前でスピードを落とす。
③ 交差点では必ず安全を確かめる。
④ 一時停止で横断歩行者の安全を守る。
⑤ 飲酒運転は絶対にしない。
ひっそりと忘れられたように最後の1 ページに置かれていますが、かつて講習で配付された『人にやさしい安全運転』では詳しい解説付きで中心的な記事として扱われていました。
これだけでも本当に実践されれば、道路交通は見違えるように沈静化し、「人にやさしく」なるでしょう。表紙などに置くべきでは?

( おわり)

posted by tomi at 06:12Comment(2)資料・データ

自動運転VS横断旗なら?

クルマの自動ブレーキやら自動運転の開発競争が盛んになっています。
秘かに期待しているのが、そんなクルマを横断旗で止めて悠々と横断歩道を渡ること。
道路交通法第三十八条(横断歩道等における歩行者等の優先)
車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるとき、クルマはその手前で止まらなければなりません。
でも実際に目にする光景は、横断歩道端の歩行者など無視してクルマは次々走り抜けていき、歩行者に譲って止まるクルマなどごくわずか。
人間の運転者はさもしいですね。でも自動運転ならちゃ~んと法どおりに停止するんでしょ?

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posted by tomi at 04:56Comment(2)横断歩道

「自転車の歩道通行可」のカラクリを考える


「自転車が通行することができる歩道」は右の標識で示されています。
原則として歩道幅員3メートル以上が必要とされている(※)はずですが、身の回りには、この条件を満たさない「自転車通行可の歩道」が多数存在します。
(※2011年10月25日 警察庁交通局長通達)

これは、いったいどうしたことでしょう?
こんなマンガが思い浮かびました。
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2015年9月発行のクルマ社会を問い直す会会報81号に掲載したものを再編集しました。
posted by tomi at 09:05Comment(3)歩行者と自転車

路側帯~「歩行者の道」の貧弱な現状(2)

路側帯を侵害するのは、電柱などの公共的な路上設備だけではありません。
沿道の店舗や住宅が、広告看板や私物を張り出させて路側帯を塞いでいます。

それらを観察すると、路側帯までは自分の領分と考えているフシがあります。
車道までははみ出さないが路側帯までは許されるという感覚は、結局歩行者の交通権を軽んじている結果だろうと思います。

自分の営業や利便のために、他者(歩行者)を車道へはみ出して通行させ、危険に曝しているということをどう考えているのでしょう?

以下は、よく街路で見かける路側帯の状況です。

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居酒屋です。
路側帯の線上までちょうちんを張り出させて、焼き物を調理する台まで置いています。
路側帯までは自分の店の領分と考えているようです。
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酒販売店です。
路側帯の上にバイク、ベンチを置き、売り出し商品のワゴンも張り出させています。
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居酒屋のちょうちんと看板。
どうせ通れない路側帯と見て、違法駐輪も寄ってきます。
歩行者は車道を歩いています。
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路側帯の通行を遮るように置かれた店舗看板。
このように看板を置くと、人の流れが店内に向くとでも思っているのでしょうか?
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路側帯の通行を遮るように置かれた店舗看板。
一つの店が置くと他の店舗も看板を置き始めます。
手前の店は商品のステッキをはみ出し陳列させています。通行妨害してステッキ販売とは皮肉ですね。

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このように路側帯を塞いでいる違法広告物は、販売促進用品として市販されており、ちょっと思い付きで出してしまったというシロモノではありません。出し入れの便のためにキャスターまで付いています。
歩行者はもはや車道を歩くようになっています。

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喫茶店の店先です。
ご丁寧に開店の度に路側帯に椅子を並べます。
席待ちのお客のためか、店の雰囲気づくりのためか?
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一般住宅の車庫に入りきらない自家用車が路側帯に突き出ています。
クルマを購入するときは保管場所のことを考えますよね?
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一般住宅ですが、立体駐車装置を設置したと見えて、鋼板とアスファルトで路側帯上にスロープを盛り上げてしまいました。
車いすやベビーカーが通るときは車道にはみ出さなければなりません。
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集合住宅の前です。
路側帯は居住者の自転車置き場と化しています。
そのうえ転居者が放置していった粗大ゴミが積まれ、路側帯は通行不能です。


posted by tomi at 19:33Comment(2)歩道・路側帯

路側帯~「歩行者の道」の貧弱な現状(1)

道路交通法で、道路上での歩行者の通行場所は次のように定められています。
道路交通法第10条(通行区分)
 歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。
 2  歩行者は、歩道等と車道の区別のある道路においては、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなければならない。
  一  車道を横断するとき。
  二  道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき。
 3 (略)
つまり道路上に路側帯が示されていると、歩行者は原則としてそこを通行しなければならないというわけです。
路側帯の幅については、次のように定められています。
道路交通法施行令第1条の2 第2項
 法第4条第1項の規定により公安委員会が路側帯を設けるときは、その幅員を0.75メートル以上とするものとする。ただし、道路又は交通の状況によりやむを得ないときは、これを0.5メートル以上0.75メートル未満とすることができる。
幅0.75メートルというのは人間1人分の肩幅にあたります。
すると幅0.5メートルというのはカニのように横歩きをするのでしょうか?
歩行者が通行するためという路側帯の幅として最低保証されているのはこれっぽっちです。
しかも現実の路側帯には、電柱や植樹、郵便ポスト、バス停、その他設備などが設置されていて、通行の障害になっています。
これらの通行障害物に影響されない路側帯幅を「有効幅員」と見れば、有効幅員として幅0.75メートルが確保できていない路側帯がほとんどになります。
路側帯に有効幅員が無いとなれば、歩行者は車道側にはみ出して通行せざるをえません。
そうせざるをえないのに「はみ出して」という不正な形になってしまうのは、歩行者の通行権がなおざりになっている証拠ではないでしょうか。
現状を踏まえて改めて道路交通法の条文を読んでみると、「右側」だ「左側」だと書いてありますが、結局「歩行者はクルマの邪魔にならないように、端っこを歩いていろ」というふうに読めてしまいます。

歩行者の通行権を確立するためには、この路側帯の有効幅員がきちんと確保できているかが具体的な目安になると考えます。

以下は、よく街路で見かける路側帯の状況です。

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路側帯の真ん中に電柱が立っています。
横断歩道の際なのに、歩行者は電柱の陰に見えなくなっているのでは?

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路側帯の真ん中に電柱が立っています。
歩行者は電柱に出合うたびにクルマに気をつかいながら車道へはみ出さなければなりません。

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「交差点・・・注意」・・・なるほど。
しかし歩行者はもはや車道を歩いていますが。

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郵便ポストも設置が必要でしょう。
しかしこのポストに投函するには車道に立つことになりますよね。
それともこれはドライブスルー用のポスト?
ポストに用のない歩行者も、みな車道へはみ出さなければ通れません。

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おそらく路側帯よりは桜の並木の方が先だったのでしょう。
しかしこれは路側帯と言えますか?

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二重白線の路側帯は「歩行者専用」です。
「専用」と言われましても、これでは「専用」の用に足りません。

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電柱に遮られて路側帯が用をなしません。
どうせそうならばと違法駐輪が寄ってきます。
ダメな路側帯はますますダメになっていきます。

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「通学路」の表示看板を付けた電柱が立ちふさがります。
学童はどこを歩いて学校へ行けばよいのでしょう?

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ここも「通学路」だそうです。
ならば学童が安全に通行できるだけの幅の路側帯を描いたら良いのに?